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前橋市議会子どもが大切にされる教育について 中道浪子

1、最初は、子どもが大切にされる教育についてです。
(今日、いじめや体罰・暴力、家庭の経済状況による教育格差の拡大、その異常さが国際機関からも厳しく指摘されています。過度の「競争」や「管理」など、様々な問題に多くの国民が心を痛めており、教育の深刻な行き詰まりの打開が求められています。本市では、平和と民主主義を土台とした憲法と子どもの権利条約に基づいて、全ての子どもの「人格の完成」をめざす教育と1人ひとりが大切にされる教育環境が求められています。)
(1)その一つは、全小中学校の30人学級実施計画についてです。
①山本市長は、この4年間「30人学級の全校実施」の公約が守れませんでした。なぜ、公約が守れなかったのでしょうか。実施しようと思えばできたのではないでしょうか。例えば、当選一年目に5・6年生を30人学級にして、2年目に中学2・3年生の40人学級を30人学級に計画的にすれば、実施できたのではないでしょうか。市民にどう説明するのか、公約が守れなかった理由について市長にお伺いします。

●市長公約に多くの市民が大変期待したのに、重大な公約違反です。市民は理解しないでしょう。
②それでも市長は市民の要望に押されて、今年度小学5・6年生の単学級のみ、5校の5学級の35人学級を実施して先生方などに喜ばれていることは事実です。しかし、公約とはあまりにもかけ離れたもので、市長が30人学級を積極的に進めなかったのは、国の方向に沿って教育再生会議や愛国心などの方向に気を取られ、子どもが減少することを前提に幼稚園や学校の統廃合を熱心に取り組んできて30人学級の公約を軽く見たのではないかと思わざるを得ません。いったい、いつまでに全小中学校の30人学級を実施するのか実施計画を示すべきではないですか。市長に答弁を求めます。

●太田市が来年度、完全に小学5・6年を市独自の少人数教育「30人程度学級」を実施すると報道がありましたが、先を越された感がありますね。「県都前橋・教育のまち」の看板も値打ちが下がります。
③市内の先生方は、市長公約の30人学級に期待していたのに実施しないので「小中学校の30人学級を求める請願」を提出しました。
今年度5・6年生の5学級だけの35人学級は、5人の教員を増やし、予算は約3,000万円を計上しました。市長、来年度は、具体的に全小学校の30人学級を実施すべきだと思いますがいかがですか。市長選も近いし、学校の耐震化はほとんど終了するのですから、30人学級実施に予算をシフトすべきです。市教委の試算で教員を70人増やして、3億9,200万円を予算化すれば実施できます。簡潔にお答えください。

●子どもの医療費無料化のように前橋がリードして実施すれば、全県に影響を与えて県の実施も希望が見えてきます。子どもが少なくなるから学校統廃合でなく、子どもが少なくなるからこそ空き教室を活用して、30人学級実施の方向を示すべきです。

(2)その二つは、就学援助制度の拡充についてです。
①今、貧困と格差の拡大のもと、給食費さえ払えない家庭が増え、就学援助制度の拡充は一層切実になっています。現在、本市では、生活保護基準額のほぼ1.1倍の所得世帯が対象で、毎年小中学生の2,600人以上が制度を活用しています。  
全国の1,760自治体中、本市のように生活保護基準額に一定の係数をかけて制度の対象基準額を示している自治体が1,130自治体あり、その内、949自治体約84%が1・1倍以上の基準で対象を広げています。1・5倍以上は13自治体もあります。本市でも基準額を1・5倍に引上げて、救済できる家庭を拡げる必要があると思いますがいかがでしょうか。
また、運動部のおそろいのユニホーム購入や練習試合の遠征費が高いために、家計のことを察して自ら部活に入らない・入れない子どもがいることや、生徒会費やPTA会費の集金が遅れがちな家庭もあります。
全国では、子どもが家庭の貧困によってみじめな思いをしないよう、国が進めている中学校のクラブ活動費26,500円、生徒会費上限4,940円、PTA会費上限4,940円の3項目を実施する自治体が増えています。本市でも、ただちに加えるべきだと思いますがそれぞれお答えください。

●そんなことを言っていないで救済家庭を拡げるべきです。クラブ活動費や生徒会費、PTA会費についても成田市や横浜市はすでに3項目全てを実施しており、3項目のいずれかを実施している自治体は400近くに増えています。就学援助制度の扶助費は、現状でも約60~65%1億3,500万円交付税参入があり、思い切って拡充しても心配ないのです。
②昨年8月に子どもの貧困対策に関する法律が施行され、就学援助の活用・拡充を図ると閣議決定され、国務大臣も就学援助制度は子どもの貧困対策に役立てていきたいと述べています。本市でも一人ひとりの子どもが大切にされる教育を進めるために、特段の検討を進めるべきです。市長は、前橋版総合戦略ビジョンで、子育て支援を将来展望に示そうとしているときです。こんなお粗末な答弁でいいのですか。

by nnakamiti | 2015-12-10 20:01