前橋市議会 行き過ぎた税・収納行政 中道浪子

2、次は、行き過ぎた税収納行政についてです。
(1)差押え禁止財産の徴収問題について伺います。
①本来、年金や生活保護費、児童手当などは、国民年金法や生活保護法、児童手当法で差押え禁止債権とされています。ところが、本市では、年金も児童手当も銀行振り込みのため、承知しながら、銀行口座に入ったものは全て預貯金と決めつけ法を無視した差押えを強行しています。
さらに許しがたいのは、法律で定めている差押え禁止額である最低生活費相当額は、【10万円+45,000円×家族の人数+税・社会保険料+生活費の加算分】と1か月分を定めているのに、銀行口座を全額差押えて残高ゼロ円にしていることです。そのため、「税金を払っている人がいるのに、払わないのは不公平で平等ではない」と錦の御旗をかざして、家賃が払えなくなったり、電気・ガス・水道料金が払えないなど窮迫状態に追い込んでします。このように幾重にも法律を無視した行き過ぎた税・収納行政を改めるべきだと思いますが答弁を求めます。

●先日総務省に行って、本市の行き過ぎた収納行政を改善してほしいと申し入れましたところ、「前橋市のやり方は繰り返し通達も出して県を通して指導している。今度は直接足を運んで指導することも検討したい」と困惑しています。
②さて、部長は、広島高裁松江支部で2013年11月27日に判決が確定された児童手当裁判の判例を生かさず、1998年今から17年前の2月10日の最高裁判決を未だに踏襲しています。この判決は、差押え禁止債権が銀行口座に振込まれた時に一般預金債権化して、差押えが許されるかどうかを判断したものではないのです。ですから、本市でも児童手当など差押え禁止財産の差押えは止めるべきで、しかも、年金や給料と分かっているのですから最低生活費相当額は絶対差押えしてはならないと判断すべきです。いかがですか。

●2013年の広島高裁判決は、最高裁判決に触れながらも、預金債権の大部分が児童手当の振り込みによって形成されたものであり、しかも、児童手当が振り込まれた直後の時点では、児童手当に相当する金額につき差押え禁止財産の属性を失っていないことを正面から認め、そのうえで、行政庁がそれと認識したうえで差押えた児童手当相当分を、実質的には差押え禁止財産を差押えたと明確に判断し、国家賠償責任・損害賠償責任を課し、これを違法としたのです。
これからは、税の滞納処分については鳥取事件の広島高裁判決に従うべきです。このままでは、前橋市は、市民から裁判に訴えられれば、完全に法律違反と断罪されるでしょう。

③続いて、市長にお伺いします。市長は、先の市長選挙で「市税滞納者に対する問答無用の差押え」はすぐやめること、「差押えを権力の道具に使わない」とはっきり公約しています。選挙直後の日経グローカルの記事では、「年金資産の差押えはやらない。無理に差押えれば生活保護に転落する人が増え、社会不安をあおることになる。納税相談をして、結果として収納率が下がっても、それはかまわない」とはっきり述べています。
しかしこの4年間、改善されるどころか、昨年度の差押え件数を見ても誰もがびっくりする10, 768件。類似都市の高崎市や宇都宮市などとは桁違いで、ますます強権的な税収納行政になっています。
市長は、市民からも全国の自治体からも前橋は行き過ぎた収納をしていると言われているのですから、公約を守れなかったことを反省し、改めて「問答無用の差押えは止める」とはっきり表明すべきですが、

●今年8月、群馬県司法書士会が会長名で「地方税の適切な徴収を求める会長声明」を発表しましたが、これは重大な指摘で、総務省も重く受け止めていました。こんなことを続けていれば、転出者はあっても転入者を多く
望めないのではないでしょうか。

(2)次は、換価の猶予の申請についてです。
①2014年国の税制改正により、従来の「職権型」の換価の猶予制度に加え、「申請型」が併設され、地方税法も同様に2016年4月1日から条例改正が行われます。申請は「納期から6か月以内」の滞納に限り、その際、猶予にかかる金額が100万円以下で猶予期間が3か月以内なら担保は不要とする規定が新たに設けられ、納税者への負担の軽減になり行き過ぎの改善策として是正するものにすべきです。しかし、申請書を記載した上に、収納課から財産目録や担保関係書類など提出を義務付けており、後々の滞納処分情報の提供ともなりうるもので問題です。しかし、やむを得ず添付書類の提出が困難な場合には、国税徴収法や通則法を準用して、従来同様の「担保を徴することができない特別な事情がある場合はこの限りでない」という規定に沿って、財産目録や担保関係書類などの提出は絶対ではないことを充分尊重すべきだと思いますがいかがでしょうか。
また、換価の猶予制度が市民に活用しやすいようにするために、申請書類や添付書類は極力優しく、素人でも記入できるようにするべきだと思いますがいかがでしょうか。

●本市では、職権型の換価の猶予と収納の猶予の件数は、過去においても現状でもゼロ件です。職権での救済の手を差し伸べなかったということのようです。
差押え件数10,768件という異常と言われている行き過ぎた収納行政を改めるべく、換価の猶予などが申請制度になったことを機に、差押えを減らすことや滞納処分を改善するきっかけにすべきで、申請がしやすいように工夫することを求めておきます。
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by nnakamiti | 2015-12-10 20:03